願書提出に必要不可欠な写真撮影。すでに皆さんご存知のことと思いますが、願書用の写真は、単なる本人確認用という目的だけではなく、お子様の魅力やご両親の思いを込められる大切なアピールポイントであると言えます。その大切な写真の準備段階において、写真館選び・服装など気をつけなければならないポイントをそれぞれ解説してまいります。

撮影する写真館選びについて

 

お受験の際に願書に貼付する証明写真。より良い写真を撮ってくれる専門店を探して、以前は遠方までお出かけになった方もたくさんいらっしゃったことと思いますが、最近は、百貨店や街の中にある写真館でも「受験用写真」に力を入れているところが増えてきました。皆様も、写真館の前を通った時に、七五三などのお祝い事の写真と並んで、受験用に撮影されたサンプル写真がディスプレイされているのをご覧になったこともあるのではないでしょうか。写真館選びをする際に、経験者からの紹介や、インターネット上の口コミを参考にするのも有効ですが、ディスプレイの写真を見てそこに写るお子様の表情を眺めてみたり、実際に撮影スタジオやスタッフなどの雰囲気などを見ておいたりするのも非常に参考になります。さらに、お受験に好印象を与えてくれるようなヘアスタイルセットをしてくれたり、笑顔をつくるための練習撮影をしてくれたりするところなどもありますので、じっくり時間をかけて希望通りの写真館を探してみましょう。

家族写真はスナップ写真でも可となっている学校もあるかと思いますが、ご家族でお写真を撮影する事は受験のためという以外にも大切な家族の思い出となり、記念としてお写真も残りますので、ぜひ写真館などでの撮影をお勧めいたします。

撮影に適した時期・スケジューリングについて

願書貼付のお写真は「3か月以内に撮影された写真」と指定される事も多いため11月のお試験を予定されていらっしゃるご家庭は、8月以降に撮影のご予約を取られると安心かと思います。気になることは早めに済ませておきたいというお気持ちも分かりますが、まずは8月までは撮影用の表情を作る練習をしておくのもよろしいかと思います。自然な笑顔を作るのは難しいものです。そして、お子様の疲れた表情は写真に出てしまうこともありますので、撮影日の前日や当日は予定を詰め込まずリラックスした気持ちで臨めるようにしていただくことも大切です。また、大抵の場合、お子様とご家族用のお写真を撮影されると意外とお時間が掛かりますので、時間に余裕をもった撮影スケジュールを立てておくと安心です。

なお、人気の写真館は早めの予約が必須です。実際の撮影は8月でも、予約は早くから受け付けているところも多くありますので、お目当ての写真館のホームページを確認したり、問い合わせたりしてみましょう。

特に気をつけておきたい点としては、資格試験などに貼付するような証明写真と違い、お受験用の写真は当日・翌日渡しではなく、数日後に完成するパターンがほとんどです。時期にもよりますが2週間以上かかるところなどもありますので、必ず引渡し日についても確認をしましょう。

写真の背景に選ぶべき色について

 

写真撮影の際、背景は何色を選ぶのがベストなのでしょうか。今までたくさん写真を見せていただく機会がありましたが、グレーを筆頭に、ライトブルーやベージュを選ぶ方がとても多く見られました。写真館に行く前に、まずは学校からの指定色がないかどうか確認しましょう。通っているお教室で写真について詳しい先生がいらっしゃる場合には、相談してみると、お子様の個性や受験予定の学校に合った色のアドバイスをしてくれるかもしれませんし、ご両親から見てお子様が活発に見えるような背景を選ばれるのも良いかと思います。

写真じたいを白黒かカラーかで悩まれる方も多くいらっしゃいますが、それについてはカラー写真で問題ありません。

写真のサイズについて

勘違いが多く発生してしまいがちなのがお写真のサイズについてです。実は学校によってサイズが異なる事が多いのです。一つの学校のサイズだけ見て、あとは全部同じだと思い込んでしまわないよう、必ず学校ごとに願書に掲載されているサイズをしっかりと確認なさってください。また、インターネットの情報などに掲載されている過去のサイズを参考にするのではなく、手もとにある最新の願書で必ず確認してください。写真館で申込手続きをする際に異なるサイズをそれぞれ伝えておけば、一度の撮影で数パターンのサイズの写真を作ってくれます。(※写真館によって違いがあるので前もって確認をお願いします)

家族写真撮影で気をつけたい点について

お子様が主役の受験は、写真についてもお子様だけを撮るものだと考えてしまいがちですが、家族写真が必須の学校も数多くあります。その際に、意外と盲点になるのがお父様の服装です。普段から、お教室に同行したり、学校説明会に出席したりと、お受験に関わる場所に出かける機会の多いお母様は、撮影のために新たに何かを買い足すことは少ないと思われますが、お父様によっては、シンプルなネイビーやグレーのスーツや、落ち着いたデザインのネクタイをお持ちではないことも。さらに、お持ちであっても久しぶりに着てみたらサイズが合わなかったという話もよく聞きますので、早めのご準備が必要です。

そして、大切なことをもう一点。お父様お母様どちらにも必ずやっていただきたいことは、ジャケットの前ボタンをしめて、椅子に座った姿を前もって鏡で確認することです。スーツを購入する際に立ち姿しか確認していなかった場合、撮影時に座ってみたら予想外のシワが現れたり、きつかったり緩かったりして、想像していた姿とは違うフォルムになってしまうこともあります。すっきりと知的な座り姿で写ることができるよう細部まで確認しておきましょう。

ベストな写真の選び方について

最近の写真館では、撮影終了後に写真データをパソコンで一緒に確認しながら、実際に現像する写真を選ぶ事がほとんどだと思います。その際、可愛い表情で写るたくさんの写真データを見て、その中からベストな一枚を選ぶのに迷ってしまうこともあるかもしれません。そんな時は、ぜひ「お子様らしさが出ている1枚」をお選びください。明るい・優しい・聡明など、ご両親から見てお子様自身の個性がよりよく反映された写真を選ぶことが、証明写真を「有効なアピールツール」にするためのポイントなのです。

仕上げの写真貼付前にしておくべきことについて

願書に貼付する写真の裏面には、必ずお名前を記入する事になっていることと思います。その際に、記入するのは名前だけでいいのか、受験番号も必要なのか、縦書きなのか横書きなのかなど、細かい注意事項も見落とさないよう確認する必要があります。もちろんこれも、学校ごとに違いがありますので、それぞれの願書をチェックをしましょう。

そして最後の仕上げは貼り付けです。ここで水性やスティックのりなどを使って、はみ出てしまって写真を汚してしまったり、のりをつけすぎて表面が波うってしまったりしては、時間をかけて準備してきた大切な写真が台無しです。汚れる可能性が少ないスプレーのりやテープのりなどを利用し、慎重に貼り付けるようにしましょう。

まとめ

わずか数センチのサイズの証明写真であっても、そこにはお子様の魅力やご両親の想いなどをたくさんこめることができます。写真館選びから、当日の撮影、最後の仕上げまで時間に余裕を持って慎重に準備を進め、最高の一枚を提出できるように計画していきましょう。

LINE 友達追加