お受験活動をスタートし始めたお母様方が最初に感じる違和感の一つは、「お受験スーツを着ること」だったのではないでしょうか。

お受験服って、なんて地味なんだろう……。
自分に似合うのだろうか……。

そういったとまどいの表情を浮かべながらお受験スーツをながめていらっしゃるお母様を、今までにたくさん拝見して参りました。

でも、必ずそのあと不思議なことが起こります。
最初は気が進まない表情であったお母様方が、2着目、3着目と試着を重ねているうちに、お受験スーツを着ている鏡の中のご自身の姿を興味深げに見入り始めます。そして、どんどん明るい表情へと変わり、より似合うお受験服を探したいと、楽しみながらこだわりの一着をお探しされるように変わっていくのです。

お受験スーツやワンピースをひととおり買い揃え、お子様のお教室や学校説明会、学校見学会、入試説明会などたくさんの機会で着ていくうちに、着こなしも身の振る舞いも上品な雰囲気がさらにプラスされていきます。最初は慣れない気持ちで出かけていたはずが、気づけば、もうどこから見ても、立派なお受験ママスタイル!と太鼓判を押せるたたずまいになっていきます。

さて、服装や持ち物は完璧に揃ったところで、次に悩みはじめることと言えば髪形なのではないでしょうか。

「髪の毛の色、これで大丈夫?」

「私って髪の毛短いけど、ハーフアップにしてバレッタつけた方がいい?」

「印象のいい髪型はハーフアップ? ひとつ結び?」

好印象を演出するお受験スタイルにおいて、髪型がしめる割合は小さくありません。
それをしっかりと把握し、ご自身が一番美しく見えるよう髪の毛をアレンジしていらっしゃるお母様とお会いすると、いつまでも素敵な印象が心に残ります。

ただ、「ご自身が一番美しく見える」スタイルに上手にアレンジできる女性というのは、実際にはかなり少数派なのではないでしょうか。鏡の前で悪戦苦闘しつつ、まだまだ正解をもとめて模索中の方が世の中には大勢いらっしゃって、むしろそちらのほうが大多数なのではないかと思っております。

そこで、今回は「お受験活動中に好印象を作り出すお母様の髪型」について、解説していきたいと思います。

一番大切なことは「清潔感」と、あともう一つが大事なのです!

清潔感は、どなたでも簡単に出せます。
こちらはご心配いりません。ご自宅でシャンプーをして髪を整える。そのシンプルなルーティーンを欠かさないこと。これで十分です。

もう一つ、実は見逃してしまいがちなのがこちらです。
学校訪問などで、正門や昇降口でお迎え下さっている先生方にご挨拶する時や、面接面談で必ずすることになる「お辞儀」。軽く頭を下げた際、反射的にしてしまうことはありませんか?
それは、顔にかかった髪の毛を振り払ったり、耳にかけたりといった仕草です。
どんなに素敵なヘアースタイルであっても、くずれた状態を先生方の目の前で直すという所作につながるようでは美しいものとは言えません。

まずはこれを大切な基本と捉えてください。これを前提として考えると、おのずとお母様のベストなヘアスタイルもすこし絞り込めてくるのではないでしょうか。

ショートヘアーとロングヘアーはどちらが好印象? カラーは黒一択?

私自身は子供の頃からずっとロングヘアーなので、ショートヘアーの似合う女性を見ると個人的にはとても羨ましく思ってしまいます。そのせいか、爽やかで知的で洗練された女性として憧れの目で見てしまうこともたびたび。

さて、ではお受験においては、ロングヘアーとショートヘアーはどちらが好印象なのでしょうか。

お子様の受験本番までに、「優しく女性らしい母親像」をイメージし、一生懸命髪を伸ばされるお母様も多いのですが、好印象の度合いとして「ロングヘアー>ショートヘアー」という公式はまったく存在しません。

お辞儀の際にもスタイルが崩れにくいショートヘアーは、私が日頃から感じている「爽やかで知的で洗練された女性」というイメージを演出できますし、様々なアレンジを楽しめるロングヘアーは、「エレガントで上品なたたずまいを感じさせる女性」というイメージを作り出すことができるでしょう。「どちらがいい?」ではなく、みなさんお一人お一人の持つ個性に、ぴったりと合ったスタイルを選択することが大切と言えるでしょう。

お試験に臨まれるまでのご注意点として、次に大切なことといえば、「髪の毛の色」です。

大勢のお母様方と一緒になる試験会場。
明る過ぎる髪色は、会場内においてとても目立ってしまい、あまりいい印象にはつながりません。女性に人気の明るいブラウンは、通常の生活においてはとてもお洒落ではありますが、受験本番当日にしていくべきではありません。さらにシックなお受験スーツとの相性もいいとは言えないでしょう。
お子様にとって、一生懸命勉強や準備をしてきた成果を出すための大切な日。
落ち着いたトーンの髪色にしてお試験に臨まれるのが安心なのではないでしょうか。

まとめて結ぶ場合のおすすめのスタイルは?注意点は?

セミロングやロングヘアーのお母様方から、

「ハーフアップがいいですか?」

「ひとつに結んだほうがいいですか?」

という質問をたくさんいただきます。

答えは簡単! どちらでも大丈夫です!

でも、答えはそこで終わりではありません。必ず続けて「お試験当日にひとつ結びをされる時は、バレッタやシュシュの髪飾りは無いほうが安心ですよ。」とお伝えしています。

キルシェ・ブリューテでもリボンのついたバレッタやシュシュなど、お母様のヘアーアクセサリーを販売しているのに、矛盾しているように思う方もいらっしゃるかもしれませんね。その理由を説明いたします。

お試験当日は、ご両親もお子様も朝から大変緊張している事と思います。
特にお母様は、そんな雰囲気の中、準備しなければいけない事が沢山……。
朝食の支度や後片付けの後には、お父様、お子様の身支度とチェック、持ち物の最終確認、お子様の体調も確認して、ご自身のメイクと身支度。
ご自身の結婚式の当日よりも、緊張感を伴いながら忙しい朝を過ごす方も多いのではないでしょうか。
そんな中、バレッタやシュシュは、髪の毛にサっとつけるだけで簡単!と思うのですが、緊張している時だと、いつもできることができなくなり、まっすぐ髪の毛の中心にリボンをつけることに苦戦してしまう場合もあるのです。
慣れているはずのヘアーセットも、何故かスムーズに進まない。
それがお試験当日のプレッシャーなのです。

そこで、私がいつもオススメしているのは、ひとつ結びをして、ご自身の髪の毛でゴムを隠してしまうヘアースタイル。リボンの位置や向きを気にしないで済む上に、とても簡単なので、覚えておくと便利です。ただし、このスタイルも、普段から練習をしておいたほうが安心です。

そしてもう一つ。お試験当日のヘアースタイルを普段のお受験活動中も取り入れるようにして、お子様が見慣れておけるようにしてあげてください。急に本番になって、気合いがみなぎるような、完璧なスタイルをしたお母様を見て、お子様が余計に緊張してしまったというお話を、経験者のお母様からよく伺います。日常の中に上手にお試験当日にしていくであろうスタイルを取り込んで、いつもどおりに実力を発揮できるような雰囲気を作ってあげてください。

【あとがき】

これからお受験活動をはじめる方にとっては、お受験ファッションはただ「地味で真面目に見えるスタイル」と思うかもしれません。その地味で真面目なものに、どれだけ素敵な印象をプラスできるかは皆様次第。迷ったら、私たちにご相談ください。周りにいる素敵なお母様を観察するのもオススメです。今までぜんぶ同じように見えていた髪型もファッションも、よく見ると、個性をプラスし、上品にアレンジしている方もたくさんいらっしゃることが分かることと思います。

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